愛猫の水の飲み方や飲む量について、「あまり水を飲んでいない気がする」「最近急に水を飲む量が増えた」「水道水をそのまま与えても大丈夫?」と気になったことはありませんか?
猫はもともと砂漠地帯で暮らしていた動物の子孫であり、少ない水分で生きていける体質をしています。しかし、水分不足は尿路結石や腎臓病などの病気リスクを高めるため、日頃から適切な量の水を飲ませることが大切です。
この記事では、猫の1日の適正な飲水量、水道水を与える際の注意点、水をたくさん飲む原因、そして水分補給を促す工夫まで詳しく解説します。
猫の1日の適切な飲水量と計算方法

猫が1日に必要とする水分量は、体型や体重、食べているフードの種類によって異なります。まずは愛猫にとっての適切な目安を知っておきましょう。
体重から求める飲水量の目安
一般的な目安として、猫が1日に必要とする全水分量は体重1kgあたり約40〜50mlとされています。
- 体重3kgの猫:約120〜150ml
- 体重4kgの猫:約160〜200ml
- 体重5kgの猫:約200〜250ml
※上記は食事に含まれる水分も含めた「必要全水分量」です。実際に容器から飲む「直接の飲水量」とは異なります。
食事の種類(ドライフード・ウェットフード)による違い
猫が実際に器から飲む水の量は、日頃食べているキャットフードのタイプによって大きく変わります。
- ドライフード(カリカリ)中心の場合
ドライフードに含まれる水分量はわずか10%程度です。そのため、猫は必要な水分の大半を水飲み場から直接補う必要があります。
- ウェットフード中心の場合
ウェットフードには約75〜80%の水分が含まれています。そのため、食事から多くの水分を摂取でき、器から直接水を飲む量が少なく見えても問題ない場合があります。
愛猫の食事内容を考慮しながら、日頃どのくらい水を飲んでいるかを観察することが重要です。キャットフードの種類や選び方については、こちらの記事も参考にしてください。 キャットフードの選び方解説記事はこちら
猫に水道水を与えても大丈夫?注意点と安全な与え方
「猫に水道水を与えても問題ないのか」と心配される飼い主さんも多くいます。結論から言うと、日本の水道水は安全に与えることができます。
日本の水道水は基本「安全」
日本の水道水は多くが「軟水」であり、カルシウムやマグネシウムなどのミネラル分が少なく抑えられています。そのため、猫の体に負担をかけることなくそのまま与えることが可能です。
カルキ(塩素)の匂いに敏感な猫への対処法
水道水の安全面には問題がなくても、猫は鼻が良いためカルキ(塩素)の匂いを嫌がって水を飲まないことがあります。その場合は以下の方法を試してみてください。
- 沸騰させて冷ます:水道水を一度沸騰させ、完全に冷ましてから与える(カルキ抜き)。
- 浄水器を通す:家庭用浄水器を通した水を与える。
- 置き水をする:汲み置きして少し時間を置く(衛生面に注意し、頻繁に入れ替える)。
ミネラルウォーターを与える際の注意点
市販のミネラルウォーターを与える場合は、必ず「軟水」を選んでください。ミネラル分(カルシウムやマグネシウム)を多く含む「硬水」を与え続けると、尿路結石の原因となる可能性があるため避けましょう。
猫が水をたくさん飲む(多飲)原因とは?
いつもより明らかに水を飲む量が増えたと感じた場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。一時的な変化と注意が必要な変化を見極めることが大切です。
一時的な原因(環境・生理的な変化)
以下のような場合は、一時的に飲む量が増えることがあります。
- 部屋の温度や湿度の変化:夏場の暑い時期や、暖房で部屋が乾燥しているとき。
- 運動量の増加:元気に遊んだ後。
- フードの変更:ウェットフードからドライフードに切り替えたとき。
注意したい病気のサイン(多飲多尿)
環境に変化がないのに「いつもより何度も水を飲みに行く」「おしっこの量が極端に増えた」という状態(多飲多尿)が続く場合は、病気のサインかもしれません。
猫で多飲多尿を引き起こしやすい主な病気には、以下のようなものがあります。
- 慢性腎臓病:高齢の猫に多く、腎機能が低下して薄いおしっこが大量に出るため、喉が渇く。
- 糖尿病:インスリンの働きが低下し、尿とともに糖が排出される際に水分も一緒に失われる。
- 甲状腺機能亢進症:代謝が過剰になり、喉が渇きやすくなる。
飲水量の急激な増加が見られる場合は、自己判断せず動物病院で診察を受けることをおすすめします。
猫の飲水量を増やす・快適に水を飲ませる工夫
猫はもともと積極的に水を飲む習慣が少なく、水分不足になりがちです。愛猫にしっかり水を飲んでもらうための工夫を紹介します。
1. 水飲み場を複数設置する
猫が生活する導線上に、複数の水飲み場を用意しましょう。移動のついでにいつでも飲める環境を作ることが有効です。多頭飼いの場合は「猫の頭数+1個以上」の場所を確保するのが理想的です。
2. 器の形状や素材にこだわる
猫は髭(ひげ)が器のふちに当たるのを嫌がることがあります。
- 幅が広く浅めの容器を選ぶ
- 陶器やガラス製など、においが付きにくく清潔に保てる素材を選ぶ
- 少し高さをつけた台の上に置くと、姿勢が楽になり飲みやすくなります。
3. 流れる水や自動給水器を試す
水道から直接水を飲むのが好きな猫や、動く水に興味を示す猫には、フィルター付きの「自動給水器」が効果的です。常に清潔で流れる水が供給されるため、飲む意欲を高めることができます。
水を飲んでくれない時の詳しい対処法や対策については、以下の記事も合わせてご覧ください。 猫が水を飲まないときの原因と対策はこちら
動物病院を受診すべきタイミング
猫の飲水量や尿量の変化は、健康状態を知る貴重なバロメーターです。次のような症状が見られた場合は、早めに動物病院に相談してください。
- 体重1kgあたり100ml以上の水を毎日飲んでいる
- おしっこの回数や量が明らかに増えた(トイレがすぐいっぱいになる)
- 水をたくさん飲むのに、食欲がない・体重が減っている
- 吐き気や元気がなさそうな様子を伴っている
受診する際は、「1日にどのくらいの量の水を減っているか」「おしっこの回数はどれくらいか」をメモしておくと、獣医師への相談がスムーズになります。
まとめ
猫の飲水量は、体重だけでなく食べているフード(ドライかウェットか)や季節・環境によって変化します。
- 1日の必要全水分量の目安は体重1kgあたり40〜50ml程度。
- 日本の水道水は軟水なので安心して与えて良いが、カルキ臭を嫌う場合は浄水器や煮沸を利用する。
- 市販の水を与える場合は結石リスクを避けるため「軟水」を選ぶ。
- 急に水を飲む量や尿量が増えた場合は、慢性腎臓病などの疾患の可能性があるため動物病院を受診する。
愛猫が快適に水を飲める環境を整え、日頃の飲水量とおしっこの様子をしっかり観察しながら、健康維持につなげていきましょう。

